《OASIS》に"飛び込んできた"話

 

公開2日目の昨日、父とレイトショーに飛び込む。田舎だからいつもはガラガラの劇場に来るわ来るわ、何か期待と不安が入り混じった表情のおじさん達が。きっと「バックトゥザフューチャー」や「ジュラシックパーク」、「機動戦士ガンダム」などをリアルタイムで楽しんでいた世代のオタク達に囲まれつつ、私も期待と若干の不安を抱えながら映画泥棒を眺めてた。

 

「色々なキャラクターを出して客引きをしただけで話にまとまりがないのでは?」

スピルバーグ71歳だけどVRをメインにした作品って精神年齢若くない?」

「期待してたほどじゃなかったら?」

 

公開まで指折り数えて待っていた映画ほど、座席についてからの不安が高まるタイプの軟弱者なせいで、ワーナーのロゴが出る頃には疑心暗鬼の塊みたいになっていたけれど、

 

結論から言うと最高だった。

 

たくさんの「アニメ」「ゲーム」「映画」から魅力的なエッセンスを抜き出してきたレベルの話ではなかった。作中で印象的に使われている「音楽」、《OASIS》での生活を豊かにする「ポップカルチャー」…世代もジャンルも超えたありとあらゆる娯楽から《OASIS》は形作られている。さらにワガママなオタクの願望が許される夢のような世界でもある。そう、例えば、

 

デロリアンナイトライダーのスキャナーライトが搭載するだとか‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎ヒューーーーーッッッ‼︎そんな事まで許されちゃうの⁉︎⁉︎⁉︎

 

予告で観たカーチェイスのシーンは序盤も序盤‼︎というか予告で出てきた奴だいたい序盤‼︎いきなりT-REXドーーーーン‼︎‼︎‼︎‼︎キングコングもバーーーーーン‼︎カーチェイスもバンバンクラッシュ‼︎突然の謎のキャラ‼︎アルテミス⁉︎誰それ⁉︎いやでも絶対格好いいでしょ⁉︎ヒュー‼︎女の子でした‼︎クール‼︎

 

正直もう不安な気持ちとか無くなってワクワクしか残ってなかった、私が元ネタを知らないけれど特徴的な車が一瞬画面に映った瞬間の後ろの方のおじさん達の「お゛ぉ゛⁉︎(小声)」という小さなどよめきさえ愛おしい。

 

「3つの試練を乗り越えて《OASIS》に隠されたイースターエッグを手に入れろ‼︎」というストーリー……もうただでさえワクワクするに決まっていません?

さらにお耳に入れておきたい情報がありまして。それは、主人公が"普通の"男の子だという事。「でもキリトさんみたいな神ゲーマーなんでしょ?」と思われるかもしれないんですけど、本当に「普通のオタク」の男の子だったんですよ。リアルの家は居心地悪いし、ゲームの世界でも常にコインが足りなくて人のおこぼれでなんとか燃料代を捻出するレベル。一匹狼を気取ってみるけど、女の子の前ではヘラヘラしてしまうし格好つけてるつもりが、側からみるとダサさ全開。なんだか心当たりありません?

私たちですよ。

 

主人公のパーシヴァル(ハンドルネームもちょっと厨二みがある、驚きの親近感)が人より秀でてたのって、本当に「《OASIS》とその創設者のハリデーが大好き」というオタク力なんですよね。

 

ハリデーの遺した3つの試練は、選ばれし勇者しかクリアできない無理難題なんかではなく、まさに「オタク力」が試されるものばかり。

 

私は第二の試練(予告に一切出てこないくせに恐ろしいほどの手の込みようなので本当に劇場で観てほしい)がとても好きだったんですけど、試練の内容はもちろん、試練を見つけるまでの過程と、ハリデーが何故その試練を作ったのかまで含めて全部含めて超良かったんですよね…この段落は特にオチとかはなくただ観てほしいってだけです。観てください。

 

色々もっと語りたいんですけど、もう一回くらい見てから改めてガツガツ語りたいと思います。というか興奮冷めやらなすぎて日本語が紡げない。

もし「観ようかな…」って悩んでる人がいたら劇場に飛び込んで観てください……一緒にこの高揚感を味わおうぜ…‼︎いやマジで。